Lost and Delirious

Lost and Delirious (2001)
dir. Léa Pool

途中まで。悪いわけじゃないけれども特に強く動かされるわけでもない感じ。「21世紀の今」という言葉がでてきて、おい現代モノだったのかい!とちょっと仰天したけど。ボーディングスクールでの友人という端役ではあるけれど、東アジア系(中華系なのかなあ)の少女がまざっているのが、もしかするとカナダっぽかったりするのだろうか。

今は知らないけれども、ネイバーズには全然アジア系もアボリジニ(って言うのだろうか、勉強不足でちょっと不安)も出ていなかったのに、ニュージーランドのソープにはマオリ系の人(もしかしたらマオリではない南太平洋系の人だったかもしれないけれど、ストーリーをもう覚えていない)が割とメインのキャラの中に入っていた、みたいなものなのかなあ、と。

いずれにせよ、これまでのところでは女優さんはかわいいけれど、それ以上の衝撃はない。例によって「禁断の愛」がDVDのカバーにはあるわけなのだが、確かにいわゆる「禁断の愛」を見たい人にはこのくらいかわいい感じが良いのかもしれない。Heavenly Creaturesはちょっとそういう方向からはずれてしまう気が。

とはいえ、実際に「禁断の愛」を描いているのはHeavenly Creaturesの方だという気もする。愛そのものが禁断だということよりもむしろ、ある特定の強い感情的な結びつきが、「禁じられる」ことによって一層強度を増し、制御不能になっていく様子を描き出しているという点において。あの二人の間にある愛情は禁止によって生み出されたものではなかっただろうけれども、その最終的なありようは禁止によって形作られている。その意味で、二人の少女の間にある愛それ自体は(それが「友情」であった時も、それが性的な関係につながった時も)「禁断の愛」ではない。けれども、あの映画が描き出す愛は、まぎれもなく「禁断の/禁断によってつくられる愛」だと言うべきだろう。