Heavenly Creatures

Heavenly Creatures (1994) Dir. Peter Jackson

邦題の『乙女の祈り』っていうのでかなり萎えるけれどもHeavenly Creaturesはわかる。二度目?三度目?の視聴(途中まで)。

半分くらいまでのところでの感想。

ケイト・ウィンスレットに説得力がある。綺麗なんだろうけれども重ったるく、奔放さの裏に鼻持ちならない、けれどもあまり根拠のない自尊心があって。

さらに、メラニー・リンスキーもすごい。不快なタイプの無愛想な不細工さ(不とか無が続くなあ。不細工とか無愛想っていうのはポジティブな項にはならないってことか)、その裏にあるこれまた鼻持ちならない自尊心と、明確な階級的劣等感。これが明示的には外見上の劣等感として描かれないのは、不思議なユートピアであるとは思うけれど。

いずれにせよ、重い。内容がというより、彼女達の身体の重さというのか、不器用さというのか、泥臭さというのか。そこに説得力を感じる。架空の王国の歴史を数代にさかのぼって組み立てるイマジネーションの軽やかさと、どたどたとかけまわり、不器用な男に不器用な性行為をされる、その時の身体の重量感と物質性(?<これは多分まずい)を両極として、階級上の、あるいは身体上の「ままならなさ」がイマジネーションに重量を加え、どんくさい身体が友人との想像の中で軽やかに踊る。

「繊細」とか「傷つきやすさ」という言葉を使ってごまかすのとは違う感じ。
少女の重量感を、どうとらえるのか。